Orange Pocket

Orange Pocket (オレンジポケット)

『Orange Pocket』は、2003年6月13日にHOOK（現HOOKSOFT）より発売された18禁恋愛アドベンチャーゲームであり、通称「オレポケ」として親しまれています。本作は、2004年4月28日にピオーネソフトから家庭用ゲーム機版として、ドリームキャスト版『〜コルネット』とPlayStation 2版『〜リュート』がリリースされています。これらの家庭用版では、ドリームキャスト版では新規キャラクターが、PlayStation 2版ではサブキャラクターが攻略対象として追加されるなど、異なる展開が用意されています。また、初回限定版にはドラマCDと原画集が同梱されていますが、その内容も各機種で異なっています。特筆すべきは、当時としては珍しく、ドリームキャスト版、PlayStation 2版ともにCEROレーティングが設定されていなかった点です。その後、2005年7月14日には電脳CLUBからDVD PlayersGame版が、2006年8月4日にはブレインポリスからFOMA 900iシリーズ向けの配信も開始されました。

ストーリー

舞台は、山と川に囲まれたのどかな田舎町。主人公である江田秀晃は、東津久田学園に通い、気の置けない仲間たちと平凡ながらも楽しい日々を送っていました。しかし、ある日、都会から転校してきた幼馴染の少女、綾瀬ナズナの登場をきっかけに、彼の日常は少しずつ変化していきます。彼女はすぐに周りに溶け込み、秀晃の友人たちとも親しくなります。それまでと変わらないはずだった毎日は、いつしか賑やかで騒がしいものへと変わっていくのです。

登場キャラクター

主人公

江田 秀晃（えだ ひであき）
かつて都会に住んでいた主人公。幼馴染であるナズナとはその頃からの友人。親の転勤で現在の町に引っ越し、華山、恵留、円、咲乃らと親しくなる。都会の生活が合わなかったようで、田舎でのんびり暮らしている。華山の祖父から古流武術「奥村流」を学んでおり、華山と組手をできる数少ない人物。

ヒロイン

綾瀬 ナズナ（あやせ なずな）
声優：北都南
物語冒頭で転校してくる秀晃の幼馴染。容姿端麗で明るい性格から、すぐに周囲に馴染む。運動神経抜群で成績優秀。

七緒 美典（ななお みのり）
声優：成瀬未亜
秀晃の後輩で、恵留の親友。おっとりとしたマイペースな少女で、どこでも眠れる特技を持つ。図書室をよく利用しており、ロリ顔だが巨乳。

小見川 円（おみがわ まどか）
声優：萌木唯
秀晃のクラスメートであり友人。明るく賑やかなムードメーカー。名士の娘だが、庶民的な性格。運動神経は良いが、成績はあまり良くない。

黒崎 恵留（くろさき える）
声優：青山ゆかり
秀晃の後輩で、引っ越してきて最初に親しくなった。おとなしい性格だが、秀晃や友人にはくだけた態度で接する。秀晃の家の家事を手伝うこともある。

藤木 咲乃（ふじき さきの）
声優：中瀬ひな
秀晃のクラスメートで、円の親友。真面目な性格で、円のブレーキ役。運動は苦手だが、成績優秀なメガネっ娘。

神沼 桐子（かみぬま きりこ）
声優：一色ヒカル
秀晃のクラスメートだが、物語開始時点では交流がない。クールな性格で、一人でいることが多い。写真撮影が趣味。

前原 羽弥（まえばら はや）
声優：文月かな
秀晃の一つ上の先輩。気の強い性格だが、臆病で寂しがり屋な一面も持つ。ツンデレ。

綾瀬 ユーキ（あやせ ゆうき）
声優：三木本彩響
秀晃の家の隣に住む少女。ある出来事がきっかけで秀晃と知り合う。

源 ありか（みなもと ありか）
声優：福元コヒロ
秀晃の先輩で、羽弥の親友。しっかりとした性格で、秀晃や羽弥の姉のような存在。ギターの弾き語りをしている。PS2版で攻略対象に追加された。

川波 ころね（かわなみ ころね）
声優：榎津まお
秀晃の後輩で、購買のパン屋の娘。明るい性格だが、男性が少し苦手。ドリームキャスト版で登場する新キャラクター。

その他

奥村 華山（おくむら かざん）
声優：間寺司
秀晃の親友。古武術「奥村流」の使い手。真面目で厳格な性格。

立花 柊（たちばな ひいらぎ）
声優：三木本彩響
華山の許嫁で恋人。大和撫子のような雰囲気を持つ。

空木 朋佳（うつぎ ともか）
声優：児玉さとみ
秀晃らの担任教師。生徒から信頼されている。

奥村 松山（おくむら しょうざん）
故人。華山の祖父であり、奥村流の達人。地域で尊敬を集めた人物。

開発

Hookの代表である亜佐美晶氏によると、本作は初期の作品の売り上げ不振から、最後の作品になるかもしれないという思いを込めて制作されたそうです。純愛ゲームの制作を初めて勉強し、キャラクターデザインも当初の予定から大きく変更されました。本作では、主人公一人につきヒロインは一人という原則が設けられ、学園ものという設定や、複雑でないゲームシステムが採用されました。幼馴染の綾瀬ナズナは、その後のHOOK作品のメインヒロインの方向性を決定づけたキャラクターとされています。

また、ヒロインとの会話で主人公が返答するタイミングによってヒロインの反応が変わる「リアルタイムクリック」システムが初導入され、より会話を楽しめるように工夫されました。

スタッフ

原画：武田弘光
シナリオ：はね、川波無人、三浦祐介

関連商品

CD

オリジナルサウンドトラック『SOUND POCKET』（2003年10月22日）
アレンジ＆ドラマCD『オレンジポケット』（2004年1月21日）

書籍

『オレンジポケット公式ファンブック Sweet Sunset Graffiti』
『オレンジポケット 1 恵留編』（ソフガレノベルズ、2003年10月20日）
『オレンジポケット 2・ナズナ編』（ソフガレノベルズ、2004年1月15日）
『オレンジポケット 3・オムニバス』（ソフガレノベルズ、2004年1月15日）

反響

Hookの代表である亜佐美晶氏によると、本作は予想以上の反響を呼び、出荷数が足りなくなるほどの人気となったそうです。

脚注

[外部リンク]

オリジナル版
リニューアル版
コンシューマー版紹介ページ
電脳CLUB
ブレインポリス

もう一度検索